旧江田島海軍下士卒集会所とは

明治40年(1907)、海軍兵学校で働く兵士や下士官用の娯楽兼福利施設として建てられたもので、浴場や遊技場、寝室などが整備されていました。木造2階建てのレンガ基礎、寄棟造りの瓦葺きです。外観は西欧風の洋館ですが、室内には畳や床の間などをしつらえた、和洋折衷の建物となっています。

 

こうした集会所は江田島内に複数ありましたが、階級によって利用できる施設や、その造りが異なっていました。旧海軍兵学校敷地内にある「水交館」とよばれた赤レンガ2階建て集会所は、豪華な調度品などが備えられており、兵士や下士官が利用できる施設ではありませんでした。また生徒達は、木造の民家である生徒倶楽部を利用していました。

大正頃の旧江田島海軍下士卒集会所。現在とはベランダの屋根の形が違っていたことがわかります。後に増築されたとされる平屋建棟も、当時は無かったことが確認できます。